前に紹介してくれたアパート、
まだ借り手がいなかったら自分で借りちゃおう!
仕事も決まって収入の見込みがついたし、
こんなに探しても見つからないということは、
一緒にシェアする人を募集しても、きっとすぐ決まるはず。
そう決めて、以前泊まっていたホテルのオーナーに連絡を入れてみたのです。
ホテルのオーナーさんは、アパートのオーナーさんにすぐ連絡を入れ、
まだ借り手がいないことを確認してくれました。
そして次の日、早速、アパートのオーナーさんと会い、
賃貸契約を結んだのです。
と書くと、いかにも英語が流暢なように思えますが、そうではありません。
アパートのオーナーさんが、ゆっくり、分かりやすく、
優しく説明してくれたので、
どうにか契約出来ただけなのです。
ニュージーランドは、週単位での支払いの習慣があります。
給料も週払い、家賃の支払いも週払いです。
「家賃は銀行からの自動引き落としが便利よ。
手数料もかからないから手続きしましょう」
と言って、大家さんは一緒に銀行に行ってくれて
手続きを手伝ってくれました。
ホッとした半面、銀行の残高を見て、ちょっと不安に。
「早く、同居人探さなきゃ」
多少の不安もありながらも、家も決まり、とうとう引っ越しです。
といっても、スーツケース一個の相変わらず身軽なものでした。

今度は、自分が掲示板に「同居人募集」の張り紙を出す番です。
文房具屋さんで、派手な蛍光色のちょっと厚めの紙と、油性ペンを購入。
四苦八苦しながら書いていったのですが、
ふと、ある部分でペンが止まってしまいました。
応募者が私に連絡できる電話番号を持っていない!
むむむ。どうしようか。
悩んだ末、
「興味のある方は、張り紙に名前と電話番号を書いてください。
私から折り返し電話をかけます」
と書き込むことに。
「これでよし」
出来上がった張り紙を朝一番に掲示板に張り出し、あとは待つだけです。
しかし!
約2時間後に掲示板をチェックした時、驚きました。
私の張り紙が剥がされている!!!
どうして~? また書かなきゃいけないじゃないの。
でもこれって、誰かが興味を持ってくれたって事かな。
という事は、多分、いい傾向だ!
新しく張り紙を書くために家に戻る前にふと思いつき、
例の現地旅行代理店に顔を出すことにしました。
先日の焼き肉のお礼と、仕事が決まった報告をしようと思ったからです。
そしてまたまた、スタッフ総出でのおしゃべりタイムとなりました。
そのおしゃべりの中で、
家が決まって同居人探しているけど、
張り紙が剥がされたのでこれから家に帰って張り紙を書く、
という話をしたのです。
すると、
「〇〇ちゃんって、今、家探しているんじゃないの?」
〇〇ちゃんとは、この現地旅行代理店の日本人女性スタッフKさんです。
「そうなの。実は今住んでいる所を出なきゃいけなくなっちゃって」
「アパートの場所もいいし、ようこちゃんの家に住めばいいんじゃない?」
あっという間に同居人即決となったのです。
Kさんは、はじける笑顔が魅力的な、トレッキング好きの関西人。
いつも笑いを取っていて、一目見ただけで、性格の良さがうかがえる人です。
やっと、家も同居人も、そして仕事も見つかり、
ニュージーランド生活の基盤が整ったのでした。
しかし仕事が始まった翌週、
ふと、手元の残金が1万円を切ったことに気が付きました。
あれれ?残金、1万円切っちゃった・・・。
このままでは、翌週のアパート代金も払えない。。。
でもちょっと待てよ。
落ち着いて、頭の中で計算を始める。
今週は現地ガイドの仕事を、これとあれとあれをやったから、
来週は〇〇ぐらいの入金があるはず。
Kさんも引っ越してくるから、家賃の半分も賄える。
よし、大丈夫だ!
落ち着いていられた理由が、実はもうひとつ。
最悪、手持ちのお金がゼロになっても、
日本に帰ることができるように準備をしたうえで
日本を出発していたのです。
私はそれを「逃げ道」と呼んでいます。

何かのチャレンジをする時は前ばかり見たくなりますが、
ダメだった場合の「逃げ道」を用意して
はじめて安心してチャレンジができると思っています。
それが安心感につながり、
思い切りチャレンジすることができるというものです。
そんなこんなでやっと家と仕事が見つかり
楽しいニュージーランドの生活が始まったのでした。